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Quantum

Quadram
Premium Suspension for BMW E60 M5.
高級車に品格を添える


BMW のなかでも、Mシリーズは全くの別物。
乗ってみても、ノーマルの550が367psに対してM5は507psと圧倒的なパワーの差を体感できます。
純正ダンパーも、フェラーリなんかと同じSACHS製。
アルミ製のそれは低圧ガス複筒式で、街中をゆったりと走ると気持ちよく、高速道路の直線でもかなりのハイペースで走れる仕立ての良さから、評価が高いのもうなずけます。
(この純正ダンパーを交換して良くなるアフターマーケットの商品はそれなりに高価になるはずですが・・・)
しかし、さらにペースを上げたS字コーナーのアプローチで、ブレーキを残しながら入っていくと、極端なオーバーステアに驚かされました。
おそらく電子制御のデフやABSの調教不足により、想定外の入力に対して、何か極端な介入をしているかのように感じられます。
最近のフェラーリもそうですが、ある程度のペースまでは有効な電子デバイスの介入も、レーススピードではABSが介入しすぎたり、ステアリングアクションによる積極的な荷重移動をスピン状態に陥ったと勘違いする傾向があります。
これは主に、Gセンサーやサスペンションの作動スピード・センサーからの信号が、大きすぎる(または速すぎる)とコンピューターが判断することが原因です。
QRS(Quantum Racing Suspension)では、同じスピード、同じ加速度(=G)であっても、実際に車体が動くスピードをゆっくりとした挙動とするよう、ハードなバネレートと強力な減衰力でマッチングをはかり、電子デバイスの介入を必要最小限とするセッティングを目指しました。
こんなところにQRSの開発のスタートがあります。

EDC indicator canceler new correction FEB 2009
EDC インジケーターキャンセラーも 同時発売(¥50,000 + TAX)
 
E60 M5 純正 FR = 3.7kgf/mm (1:1換算で 3.2kgf/mm相当)
RR = 4.0kgf/mm (1:1換算で 3.2kgf/mm相当)
COMFORT仕様 FR = 8.0kgf/mm (1:1換算で7.0kgf/mm相当)
RR = 5.4kgf/mm (1:1換算で4.3kgf/mm相当)
TOURING仕様 FR = 8.9kgf/mm (1:1換算で7.7kgf/mm相当)
RR = 6.3kgf/mm (1:1換算で5.0kgf/mm相当)

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下記のようなテーマを持ってセットアップしました。
M5オーナーをイメージしたとき、峠をガツガツ走るわけでなく、高速の直線を安定して走れ、コーナーは楽に流して走っているようでも、実際には相当なペースで走れる足を目指しました。
特に長めのストレートからコーナーへのアプローチで、ハードなブレーキングにともなう唐突なオーバーステアをなくし、安心してブレーキを踏めるクルマに仕上げました。
BMW純正ダンパーは、乗り心地を考慮した複筒式ダンパーです。
このダンパーの特長は、市街地の凸凹のような場所では鈍感で、確かに乗り心地は単筒式ダンパーより良いのですが、大きくストロークするようところでなければ大きな減衰力を発揮しません。
QUANTUM の大きな特徴は、複合コーナーの切り返しです。どんな足でも、1個目のコーナーはそれなりに走れますが、S字コーナーの様に2個目の切り返しでも1個目と同じように安定した足にするには、それなりのダンパーが必要になります。
この切り返しの安定性を求めていくと、市街地の乗り心地はどんどん悪くなっていきます。
複筒式ダンパーは、十分な減衰力が発生するまでのレスポンスが鈍く、ある程度ストロークをしてからでないと、ダンパーが効いた感じがしません。(だから乗り心地が良いのですが・・・)
M5のオーナーはどちらかと言えば、週末にロングドライブをメインとし、市街地の乗り心地は多少の固さを伴った方が、プレミアムカーに乗っている感じがするようなので、あえて残しました。
ノーマルの車高は落としたい、でも乗り心地は犠牲にしたくない、でも固さも表現したい。
高速では、160~220キロが最も楽な速度域とし、環境が許せば、220キロ巡航でも片手運転が可能なセッティングとなっています。
QRS􁴕STD の車高は STD-20mm~25mm ダウン。 1Gからの有効ストロークは十分確保されているので、突き上げ感はありません

その他開発秘話

開発当初、ラグジュアリーカーとして位置づけ、前後のトップマウントは、音の進入を防ぐためにも純正にこだわって開発をしてきました。
特にリアですが、最初は問題なくセッティングもまとまり一安心と言っていた矢先、200キロくらい走行をするとダンパーが抜けたように、リアだけピョコピョコし出しました。
何かと思い、リア周りをばらすと純正トップマウントのラバーBUSHがブローをして、抜けかけていました。
あわてて、アルミ削り出しのQRS TOP マウント(強化ラバーBUSH)に交換して事なきを得ました。
足回りが決まり、走るペースが上がったことにより、相当な運動エネルギーが減衰されている証拠です。
フロントのTOPマウントも、V10用の純正は大丈夫という判断をしていましたが、15000km位でつぶれています。
QRS FRONT TOPマウントは、ダンパーの減衰力だけをモノボールで受け持ち、スプリングの荷重はアッパースプリングリテーナーを介してTOPマウント本体に直接掛かるように設計されています。
従いまして耐久性もあり、デコボコでゴトッとは音がしますが、コトコトと連続しませんので、好評をいただいております。
QRS FRONT TOPマウントは、グリスを封入されたニードルローラーベアリング(新作フルカバードタイプ)を使用し、ステアリングの回転をスムーズにしています。