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Quantum

Quadram

純正ダンパーはどう? British Most Famous Luxury Vehicle.
Aston Martin Vanquish-S V12
1-1 FRONT DAMPER
1G(床に静止した状態)で、バンプラバーがすでに25mmつぶれています。これがそのまま乗り心地やハンドリングに影響しているようです。路面のデコボコでステアリングを取られやすく、コーナーリング中にブルブルッとふるえる挙動に違和感を覚えます。

1-2 SETTING
ダンパーの減衰力は、乗り心地を意識しすぎていてCOMPが固め、REBOUNDが弱めになっていました。V8ならこれで良いかもしれませんが、長大なV12では役不足。荷重移動も大きめで唐突です。

1-3 SPRING RATE
FR=6.8k / RR=7.4k 街乗りレベルでの問題はそれ程感じませんが、高速を気持ちよくとばす方には柔らかすぎ。

2-1 CHASSIS
シャシー自体の剛性感は十分に感じられ、ポテンシャルはあると思います。車重があるので、ブレーキはすぐにオーバーヒート。

Aston Martin Vanquish-S 用ダンパーを作りました。
今回の仕様は、お客様の要望もあり、サーキットで遊べるようなハンドリングに仕上げてみました。
FR=17k / RR=10k のタフなスプリングレート。
数字だけ見ると及び腰になりますが、実際の乗り心地はノーマル並み。
20~30km/h の速度域ではさすがにバネの固さを感じるものの、50~60km/h 以上の舗装路であればノーマルより良いぐらい。



高速の継ぎ目で見られるドカンというハーシュは影を潜め、高速~超高速
の直進性は大幅に改善されています。ノーマルで気になる、高速域で左右に揺れる癖もなくなり、ブレーキングも安定しました。
これは、純正ダンパーのセッティングが、1G状態ですでにバンプラバーに当たっていることが原因です。
1G付近の荷重変化に対して、バンプラバーで揺り返しが起きているもの
と思われます。

QRS はバンプラバーまでの有効ストロークを十分に取り、常にスプリン
グで荷重を支えているのが特徴です。レインコンディションで感じる、ノーマルサスペンションでコーナーへ入った時のツルツル感(ノーマルはバンプラバーで動きを止めるので)もなく、ドライコンディションのコーナーリングは爽快感をともないます。
575maranello をイメージして仕上げていますので、スポーツカーらしいハンドリングを十分にご堪能いただけると思います。